「やがて春」

人生五十年。
これほど長い冬は経験したことがありません。

人の死。
七年共に過ごしたペットの死。
努力は全てうちのめされました。

何かに取り憑かれたように、
暗いトンネルの中を走り続けている。
凄く遠くに僅かながら光が見える。
進み続けてやっと出口だと思う。
だが近づいたと思った瞬間、また遠ざかる。
進んだ以上に闇に引き戻される。

そんな半年でした。

気が付けば、桜が満開だった。
世の中は春なのに、
自分の時間だけが冬のまま止まっている。

心の桜はまだ咲かない。
つぼみのまま、凍りついている。

逃げることも、やめることも許されない。
だから今日も、何も変わらない闇の中を歩いていく。

それでも思う。
来年こそ、心の桜を咲かせたいと。

「やがて春。」