記憶

家内がオリンピックでちくわの新しい家を買いたいと話があり、ご自由に。と言った。

そんな時ある思い出が頭をよぎった。

私が幼稚園児頃、横浜の高島屋のペットショップで一匹のシマリスをほしいと親に嘆願している。 

ずっとそのシマリスを眺めている。

しかし衝動的で面倒みれるかどうか不安な両親は私を宥め連れて帰る。

帰宅してから数日、父親に図鑑を見せながら面倒をみるんだ!と言い続けた。

ある日。 

父親が仕事から帰宅すると白い小さな箱を私に差し出した。 

中からカサカサ何か動く音がする。

もしや…

空けてみると、高島屋にいた小さなシマリスだった。

その時の感動はまだ覚えている。

ぴーちゃんと名付け、子供の様に可愛がった。

エサも沢山あげた。  

呼ぶとぴーちゃんから来る。

小さな手のひらで寝ることもあった。

噛まれて痛かったこともあったが、決して怒らなかった。

何年一緒に過ごしたか忘れてしまったが、最後はトイレの便器に落ちてしまい、大泣きしながらお墓を作り、大好きなひまわりの種をあげた。

翌年からそこにはきれいな向日葵が咲き続けたのを鮮明に覚えている。

なぜこのタイミングで記憶が甦ったか定かではないが、家内と一緒にちくわの家を買いに行くことにした。